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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第23章 真意はどこに?





だが、ハンジは違うようだ。

エルヴィンの怪我を見た時は怒りが沸いたらしいが、
時間が経つと頭が冷静になったのだとハンジは言った。


「だってさ、今回ナナシはエルヴィンに
相当嫌な思いさせられているよね?
好きな人の死因とかしつこく聞かれるのって
普通の人は嫌だと思うし、思い出したくないでしょ。
例えば関係ない人間に
『仲間はどうやって巨人に殺された?詳しく聞かせろ』とか言われたら、
私だったらそいつを殺したくなるよ。
というか、冷静ではいられない。
でもナナシはエルヴィンに『降参しろ』って言ってたんでしょ?
多分降参してたら、ここまでにはならなかったはずなんだ。
最初から痛めつけたかったんなら、そんな事聞かないよ。
・・・それに」


ハンジはリヴァイに視線をやり、優しげな笑みを浮かべる。


「リヴァイを気絶させたのも、
エルヴィンが助けを乞う姿を見せたくなかったんじゃないかな?
エルヴィンにとっても、部下であるリヴァイがいちゃ
降参なんて出来ないと思ったんだと思う」

「・・・何故そう思うんだ?」

「エルヴィンの傷が、他人に気づかれないような場所にだけあるっていうのが
理由の一つかな。普通、憎かったりしたら顔面とか
目立つところにつけたいじゃん?でも、彼はそうしなかった。
何でだろう?って疑問に思った結果、そういう考えになった。
・・・・多分、本当は優しいんだろうなって」


まぁ、人類最強を気絶させる実力があった方が驚きだけどね!
と真剣な態度から一転、爆笑するハンジにリヴァイは舌打ちした。


そして冷静になって考える。

自分と置き換えて考えると、ハンジの言う通り
到底自分が我慢できないような事を
ナナシはされていた気がした。




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