過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第21章 口説く!
そんなに重要な事なのか?と思い促すと、
エルヴィンはナナシの手を掴んで言い放つ。
「私が君を愛しているからだ」
この流れでそんな事を言われるとは思わず、
一瞬反応が遅れてしまったナナシだったが、
反応出来ても口から出てきたのは「は?」という声だけで、
その場に沈黙が落ちた。
エルヴィンの隣に座るリヴァイのお茶を啜る音だけがやけに響く。
・・・・いや、待てリヴァイ。
我関せずでお茶啜ってないでトチ狂った上司を
何とかしてくれないか。
この男は私の話を全く聞いてくれないんだ。
祈りに似た気持ちでリヴァイを見たが、
彼は視線を合わせようとはせず虚空を見つめながら
お茶を啜っているだけだった。
そんなにこのお茶が気に入ったなら全部やるから、
助けてくれ。