過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第21章 口説く!
「私も教えてもらいたい事がある」
「どうぞ?」
「何故・・・それほどまで私を欲しがるのだ?理解に苦しむのだが・・・・」
「・・・・・・・・本気で言っているのかい?」
ナナシの問いにエルヴィンは呆れた表情を作り溜息を吐くと、
真剣な眼差しでそれに答えた。
「欲しい要素が沢山ありすぎて論ねたらキリがないが・・・
そうだな、まずはその戦闘力かな。
リヴァイとハンジとの連携を見たよ。
巨人の足を削ぐ正確さや威力は大変素晴らしかった。
対人格闘についてもリヴァイから話を聞いているし、
私も殴られているから素晴らしいと思っている。
君の特殊な能力の解明もしたい。
もう使えないとは言ってもメカニズムを解けば
我々の役に立つはずだ。あと、その観察力も捨てがたい。
ピクシス司令に提出した君の報告書を読んだよ。
あれだけ細かく分析出来るなら調査兵団の訓練も見てもらいたいね。
壁外ではガスの消費をどれだけ抑えられるかも重要だ。
それから、その知恵だ。君は私達が知らない情報を持っていて、
それを上手く活用する術を持っている・・・そうだろう?
あと最後に・・・」
「・・・もう良い、わかった。
つまり総合的にすぐ使える戦力が欲しいという事だな」
長ったらしいエルヴィンのセリフを遮ると、
彼は不服そうに「最後の理由を言わせて欲しい」と食い下がってきた。