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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第21章 口説く!






「この前の壁外調査では多くの命が君によって助けられた。
その上モブリットに指示を出してくれていたお陰で調べ物も捗ったよ。
この通り感謝している」


恭しく頭を下げたエルヴィンに眉を寄せたナナシは
周囲の気配を探った。

どこかに罠を仕掛けているはずだ。
この男が礼を言う為に来るはずがない。

しかし、周囲を探っても兵士らしき気配は感じられず、
ナナシは首を傾げる。

ナナシの戸惑いを感じたのか、
エルヴィンは「他には誰もいないよ」と笑いながら告げた。


「それで、ここから本題だが調査兵団へ入ってくれないか?」

「何度も言っているが断る」

「それは何故?私は明確な理由を聞かせてもらった事がないから
是非教えてもらいたい」


理由なら大分前に教えたはずだ。
何を今更言っているのだ、とエルヴィンを睨みつけるが
退く気が無いようでこちらをジッと見ている。


「前にも言った通り、壁外にも、巨人にも、人類にも興味は無い」

「・・・君の持論は『自分達でどうにもならないなら、
それが運命、自分の関係ないところで勝手に生きて勝手に死ね』
・・・だったかな?私は君がそういう考えに至った経緯を
知りたいんだ」

「・・・・・・・話す事は無い」

「なら、私も諦められない」


何故、この男は自分に固執するのだろうか。

確かに自分の戦闘力は人間より多少上かもしれないが、
それでも彼にここまで口説かれる程ではないと思っている。

エルヴィンの考えがわからず、困惑してばかりだ。




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