過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第20章 帰還への攻防
「どうした、リヴァイ。大丈夫か?」
「・・・あぁ、痺れて動けなくなった」
ミケに体を支えられながらリヴァイは
痺れて動かない己の身体に舌打ちする。
何が原因でこうなったのかと考えていると、
今度はハンジが体の不調を訴え始めた。
「か、身体が・・・動かない・・・っ!?」
「ナナバ!ハンジの身体を支えるのを手伝ってくれ!」
「う、うん!」
ナナシと共にハンジの身体を支えたナナバが
一体何が起きているの?」と困惑気に呟くと、
隣から「すまん」という声が聞こえ首を傾げた。
「ナナシ・・・原因知ってるの?」
「どういう事だ?」
ハンジとリヴァイがだるそうに問い質すと、
ナナシは少し頭を抱える仕草をしながら答えた。
「さっき使った・・・切れ味上げるアレが原因だ。
少しすれば痺れも治まるはずだが・・・」
「・・・そういう事は早く言え!クソが!」
「あー・・・ビリビリしてたもんねぇ。
因みにどれくらいで動けるの~?」
苛立つリヴァイとは違い、ハンジは間延びした声を上げた。
何となくそんな気はしてたよ、と笑いながら言ったハンジに、
「何の話?」とナナバが尋ねる。
ハンジが興奮気味に先程の戦闘を語る中、
このままぶら下がっている訳にもいかず
全員で頂上を目指した。