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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第20章 帰還への攻防





「ナナシ、エルヴィンはどうした?」


リヴァイ班に戻ると、戦闘を続けていたリヴァイに
そう声を掛けられ「壁の上に置いてきた」と簡潔に答えた。

どうやら彼はエルヴィンが叩き落とされた所を
目撃していたらしい。

リヴァイは作業が捗り始めた壁の上を見上げると、
部下にガスと刃を補充するように指示を出した。


「ここはもう防ぎきれねぇな・・・。一旦退くぞ」

「了解しました!」


リヴァイの言葉に返事をした部下達は
それぞれ巨人に捕まらないように後退していった。


そこにハンジの部隊も合流して連携して巨人を削いでいく。
ガスと刃が少なくなってきていたので、
彼らは思うように戦えないようだった。

ナナシも立体機動で戦っていたが、
彼らとは違う意味で思うように戦えず、
仕方なくリヴァイ達に提案した。


「ガスの消費を軽減するために一つ提案する。
私が巨人の足止めをするから、
倒れ込んだ巨人の止めをお主らで刺してくれぬか?」

「あ?そんな事出来るわけねぇだろうが!」

「一人でなんて無理だ!ここは皆で協力しないと・・・」

「正直、立体機動では戦いにくくてな。
お主達が協力しないならば一人でやるまでだが・・・・」


一歩も引く気の無いナナシの言葉にリヴァイは舌打ちする。
ハンジは「具体的にどうするつもり?」と前向きだ。
きっとガスが少ないのだろう。


「話はごく簡単だ。私が巨人の手足を切り落とすから
再生する前にお主らが仕留めれば良い」

「本気なの?」

「ただ、巨人の足元に飛び込んでくれるなよ?
まとめて斬り殺してしまいそうだ」


ハンジの問い掛けに、
ナナシが不穏な笑みを浮かべると二人は黙り込んだ。





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