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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第20章 帰還への攻防





モブリットから聞いた「命令が無いので戦えない」という
文言を口にする男を一瞥したエルヴィンは高圧的な態度で応じる。


「では、戦うのではなく調査兵団員の回収の為に
ゴンドラを出して頂きたい」

「そ、それは・・・許可が下りませんと・・・」

「そもそも、このような状況になっているのは
開閉装置が破壊されたからでしょう?
その責任は一体誰にあるか・・・わからない貴方ではないはずだ。
優秀な兵士なら命令されずとも、今何をすべきかわかるはず」


その後も続けた有無を言わせぬやり取りで
何とかゴンドラを出させたエルヴィンは、
駐屯兵団への指示をモブリットに任せ、
再び戦場へと戻った。


今は少しでも戦える兵士が欲しい。


怪我をした兵士を優先的にゴンドラへ乗せる指示を出しながら
移動していると、巨人の大群の中応戦しているリヴァイの姿が見えた。

鮮やかな手並みで駆逐する姿は人類最強の名に相応しく、
実に頼もしい。

リヴァイ率いる特別作戦班も頑張ってくれているようだと
戦況を確認した所で、彼の班にいるはずのナナシの姿が
見えない事に気づいた。



まさか巨人にやられてしまったのか、という考えが過ぎった瞬間、
背後から巨人に襲われ間一髪で攻撃を避けたものの
バランスを崩し民家の屋根に叩き落とされてしまった。


「エルヴィン団長!」

「・・・ぐっ!」


周囲にいた兵士がそんなエルヴィンに気づき、
駆け寄ろうとしたが巨人に進路を妨害され、侭ならない。


目の端に自分に手を伸ばす巨人が見え、
何とかグリップを握ろうとしたが脳震盪を起こしているようで
身体の自由が効かない。


自分が壁外で油断するとは思わなかった、と
半ば諦めていると、巨人の顔面目掛けて何かが飛んできた。



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