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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第19章 ナナシの能力






「リヴァイ・・・すまないが、
ミケ達を連れて声が聞こえない距離まで離れてくれないか」

「だが・・・・」

「命令だ、従え」

「・・・了解だ」


エルヴィンの言葉で渋々引き下がったリヴァイは、
ミケ達を連れて離れていった。

それを確認するとナナシは殺気を引っ込め、
エルヴィンへ身体を向ける。


「情報は・・・あまり分散するものではないからな」

「では、話してもらえないか?説明を省くのも無しだ」

「あぁ」


ナナシは弾丸を一つ持ち上げ、
エルヴィンの眼前へと突き出した。


「巨人を惑わす仕掛けの一つはこの弾丸にある」

「君の血が付着しているものだね」


突き出された弾丸を手にし、
エルヴィンはまじまじとそれを観察する。

この弾丸はあの地下室から持ってきたものだ。
確かに今しがたナナシが付けたと思われる血が確認出来る。


「私は・・・相手に流れる生体エネルギーを自分と同調させる事が出来る。
それによって相手の行動を乱すことが可能だが、
それには条件や限界もあってあまり多用出来るものではない。
私の血を付着させた物を相手に撃ち込む事によって
発動出来るものだ」

「そ・・・れは」


あまりにも人間離れした稀有な能力に
流石のエルヴィンもすぐ言葉が出ず固まる。

まさかそんな能力を持ちうる人間が存在したとは、と
喜びで心が高揚するのがわかった。




欲しい。




そんな能力があるのならば、
何としても彼を調査兵団の・・・自分の物にしなければならない。

巨人の解明と駆逐が夢物語では無くなり現実のものとなるだろう、と
期待に胸を膨らませた。




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