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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第19章 ナナシの能力





「・・・では前者を話してやろう」

「ほう・・・・?」


意外だとエルヴィンは思った。

彼の事を深く知っている訳ではないが、
仲間(多分あの老人は仲間という括りだろう)よりも
自分の秘密を話す人間とは思わなかったからだ。

それともあの地下室と老人の方が
ナナシ自身の話に近くなってしまうのだろうか。

まぁ、どちらに転んでもエルヴィンは知りたいことがわかるので
構わないが・・・。


「だが、その前に人払いをしろ。でなければ話さぬ」


ナナシの言葉に、「やはり気づいていたか」と
肩を竦めながら駄目だと答える。


「君が逃げ出さなないとも限らないからね。
安心しなさい、話が聞こえるのは地下室に行った面々だけだよ」

「・・・小童。私も譲歩してやっているのだ。
調査兵団皆殺しと人払いという寛大な二択だ。
調子に乗るな」


刹那、肌がビリビリする程の殺気を向けられ
エルヴィンはぞくりと身体を震わせた。
異常な殺気から調査兵団を皆殺しに出来るのでないかという
錯覚も生まれる。


その場から動けず、
殺気で光っているようにも見えるナナシの双眼を凝視していると、
外で待機していたリヴァイがブレードを構え
室内へなだれ込んできた。


「エルヴィン!無事か!?」


リヴァイの殺気も相当なものだが、
ナナシのそれは明らかに質が違う。

まるで動物のような・・・
人間が発する事の出来ない代物だと思う。

どうやらリヴァイ以外のメンバーは
ナナシの殺気で動けないようだと即座に判断し、
エルヴィンは腕を上げリヴァイを制止した。




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