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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第18章 『迅鬼狼』のアジト




「・・・ここの家主か?」

「マリアが陥落した際、逃げずにここに残ったらしいな」

「しかし・・・この出で立ちはまるで・・・」


――戦いに行くための装備だ、
とエルヴィンは最後まで言葉にしなかった。


老人―――エッカルトは手足にナナシと同じ手甲と脚甲を装備し、
腰には立体機動装置まで着けていた。


纏っている服はどこかの隊服なのか紋章が着いており、
羽織っているマントにも同じものが描かれている。



「きっと・・・戦いたかったのだろうな」

「戦う?それは巨人と?」

「それもあったかもしれんが、恐らく違う」


違う?
どういう事だ?
巨人以外に誰と戦いたかったのだ?

聞きたかったが、誰も口に出す事が出来ず沈黙が空気を重くした。

耐えかねたハンジが場を取り持つように早口でしゃべり始めた。


「何でその人の身体は腐ってないんだろうね?
亡くなってどのくらいかはわからないけど、
この地下の埃の溜まり具合から結構経ってるよね?
本当にここって不思議な場所だね~。動く石に貴重な書物、
沢山の武器や物資!本当に凄いわ~。
まるでどこかの秘密結社みたいな?
この人がもし王政転覆狙ってたテロリストなら
洒落にならなかったかもね!」

「・・・・・・・・・・・・」


馬鹿!ハンジ!
今それを言うな!


笑い飛ばしたハンジにリヴァイは「黙れ」と睨みつけてやった。

先程自分が言った言葉だったが、
ここでそれを言ってしまっては笑い話でも何でもない。


ここまで武装し、沢山の研究書や禁書を所持する人間が
マトモであるはずがないのだ。



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