第6章 麻兎
男たちを離れた場所に隠し
麻兎が戻ってくると、
瑠璃は部屋の隅でガタガタ震えていた。
「麻兎…っ!麻兎…」
子供のように両手を伸ばし
自分を求める瑠璃を、
麻兎は片方の瞳を細め
複雑な表情で見つめた。
「あんな男たちに…触られて…
嫌…嫌なの…怖くて…」
震えが止まらない瑠璃。
麻兎は優しく抱きしめ頭をなでた。
俺らしく…ないな。
「麻兎…助けて…
こうして触れてもらってるだけで
安心するの。
お願い…また口づけて…」
乱れた着物で色気を放つ瑠璃に
麻兎は戸惑った。
「…おいおい、煽るなよ…
弱ってるところを襲うなんて
俺の趣味じゃ無い。」
「お願い…麻兎…
感触が残って…たまらないの。」
感触…か…
男たちが瑠璃に群がる光景を思い出し、
胸にどす黒い感情が湧き上がると同時に
自身の理性が揺らぐのを
感じる麻兎だった。