第6章 麻兎
「いや…それだけは…」
どうでもいい女だったら
いくらでも抱けるが…
今回も、火影が護衛について居ないと
噂で聞いて、いても立ってもいられず
自分から春日局に
申し出たくらいなんだ。
瑠璃を…守りたくて。
なのにこんな目に遭わせてしまった。
「じゃあ麻兎…
前に報酬を身体で払えって…
あの時の…」
「あの頃とは違う。」
「お願い…抱きしめて…」
涙に濡れた瑠璃の瞳と、
麻兎の隻眼の瞳が絡み合う。
「…っ…俺が忘れさせてやる…!」
麻兎は瑠璃を強く抱きしめ、
息もできないほど
激しい口づけを落とした。
「あ…さと…」