第6章 麻兎
「空席になっていた護衛の件だが…
麻兎に正式に決まった。」
「えっ?!」
思いがけない嬉しい知らせに、
瑠璃の表情はパッと明るくなった。
麻兎…火影と同じく忍の村の出身で、
元盗賊の首領という過去があるけど…
何度か護衛してもらった時の姿を見て
瑠璃は麻兎を信頼していた。
悪く言う人たちもいるけど…
護衛としてだって、
火影と並ぶくらい優秀な人。
「良かった…それは安心ですね!」
素直に喜びを表し、嬉しそうに
頬を上気させる瑠璃を見て
なぜか内心おもしろくない春日局
だったが、そんなことはおくびにも
出さずに話を続けていた。