第5章 永光〜お万の君〜
その後、永光さんは何事も無かった
様に私を離し、涼しい顔で
じっと様子を見ている。
「飲み込んだようですね?」
「あ、の…これは…?」
「おもしろい玩具を手に入れたのです。
ぜひ貴女に試してみたいと
思っていました。
効き目が出るまでは少し時間が
かかるそうです。
夜が楽しみですね?
お待ちしていますよ…瑠璃。」
永光さんはまた妖艶な笑みを残して
去って行った…
私は何だかわからない物を
飲まされたのが怖くて…
公務の合間に水をいっぱい飲んだり、
厠にいっぱい行ったりした。
でも、夕方になっても特に身体に
変化が無く安心し始めた頃…
それは起きてしまった。