第4章 鷹司
瑠璃は本当に家光にそっくりで…
俺も初めは気付かなかった。
でもちょっとした仕草や、すぐに顔が
赤くなって恥ずかしがるところなんかが
すげ〜かわいくて…
まぁ、女のコなんだな。
俺はしばらく接しているうちに、
瑠璃が影武者なんだと気付いた。
全部バラして、家光や気にくわねぇ
幕府の連中と取引きすることも
できたかもしれないけど…
俺はあいつの頑張りを見てたから。
頼まれたら全力で取り組む強さ…
人を信じる気持ちの強さ…
すげぇなって。
いつかは家光が戻って来て、
瑠璃が元の生活に戻れるなら
それでいいかって思ったんだ。
なのに…家光が死に、
瑠璃は影武者を続ける道を選んだ。
しかもお世継ぎまで生むっていうんだ。
ほんとお人好しだよな…
家光と添い遂げる気は
俺には全く無かった。
だからいつか逃げ出してやろうとまで
考え、機会をうかがっていた。
でも…相手が瑠璃だったら…?