第4章 鷹司
✳︎この章は鷹司目線で進みます✳︎
鷹司が大奥の廊下を歩いていると
縁側に腰掛けた瑠璃の姿が見えた。
〝瑠璃〟か…
その名を知ってる人間は、大奥には
もともと数えるほどしかいないが…
その名前も今は消えつつある。
あいつは家光として生きることを
決めたんだ…
その決定は鷹司の人生をも大きく
揺るがそうとしていた。
俺は自分の意思とは関係なく大奥に
入れられ、家柄がいいというだけで
正室第一候補になってしまった。
本物の家光とも反りが合わず、
絶対に摂家の人間や幕府の思い通り
にはならないと決めていた。
でも…
そんな時、瑠璃と出会ったんだ。