第18章 最終章〜bitter&sweet2〜
戸惑いを見せたのは一瞬のことで…
春日局の心はすぐにまた
鎧を着こんでしまっているようだった。
「…じゃあ、俺も遠慮しませんよ?
瑠璃に気持ちをぶつけます…
いいんですね?」
「…正室候補第一候補だった
貴殿が影武者と…
上様が御存命の時であれば
こんなに喜ばしいことはなかったな。
しかしながら、今の状況では
影武者の色恋など私は関知せぬこと…
好きになされればよろしい。」
「………!」
鷹司は肩をぶつけるようにしながら
去って行った。
「鷹司殿か…悪くない。
真っ直ぐな二人は良く似ている…
五摂家の御正室ともなると
苦労もあろうが…
彼なら大丈夫だろう。
誰よりも…幸せに…」
今度こそ人知れず…
細く長い溜息をつく春日局だった。