第18章 最終章〜bitter&sweet2〜
その時…
湯殿の前で言葉を交わし別れる二人を
柱の影から二つの人影が見ていた…
一人は、能面のような表情で
瑠璃の後ろ姿を目で追う春日局だ。
もう一人は…
「春日局様…あいつの想い人って
もしかして貴方なんですか?」
鷹司が押し殺した声で訊いた。
誰にも見られていないと思っていた
春日局は驚き…
自分がどのような表情で
瑠璃を見つめていたかと
思いを巡らした。
「…そうなんですよね?
そんな顔してるんだったら…
何であいつにあんなこと
させとくんですか?
あいつをこれ以上傷付けたら…」
「どうすると言うのだ…?
それに私は何も目にしてはいない。
残念だが…貴殿が何を話しているか
分かりかねるな。」