第16章 最終章〜sweet&sweet2〜
「その意見については私も同感です。
火影殿もこの先なかなか苦労
されるかもしれませんね…
そう思えば幾分気持も晴れましたので、
これでお暇しますね。」
そう言って永光さんは帰って行った。
永光さんが居なくなってから
いただいた包みを開けてみると…
「火影、これ…御守りだよ…!
旅の安全を祈願してあるって。」
…火影と私は、火影の体調が戻り次第
江戸を離れることが決まっていた。
行き先は…
京からほど近い場所にある
火影が用意してくれていた家だ。
あんな事件が無ければ、
そういった準備を全て整えた上で
求婚するつもりだったと
言ってくれた火影…
全く自信が無かったと言いながらも
そこまで考えてくれていたことが
私はとても嬉しかった。
あの事件で予定は少し変わったけど…
そこで二人は新しい生活を始める。
それにしても、いつの間にか
変わっていた私の呼び名…
永光さんは瑠璃さんと呼び
火影は瑠璃と呼んでくれる…
それが恥ずかしくもありうれしくて
顔がほころんでしまう私だった。