第15章 最終章〜sweet&sweet1〜
鷹司と別れ、
夏津が自室に戻ろうとしていると…
考え事をしているらしい瑠璃と火影が
廊下の角で出会い頭にぶつかりそうに
なっているのが見えた。
「すまんっ!あ…火影…」
「瑠璃様…」
あいつはともかく、
火影がぼーっとするなんて珍しいな。
見ていると、二人とも真っ赤になって
ごにょごにょと言葉を交わし
すぐに別々の方向に
逃げるように去って行く。
そういうことか。
………面倒臭え奴ら。
瑠璃、お前は火影に惚れたのか…
見え見えじゃねえか。
あの様子だと火影の方の気持ちも
間違い無さそうだな…
「くだらねえ…っ!」
夏津は自分でも気付かないうちに
いら立った声を小さく上げていた。