第15章 最終章〜sweet&sweet1〜
「時に瑠璃…」
春日局様がコホンと
咳払いをしながら尋ねた。
「もしもあの者たちのことを
想っているのなら…
添い遂げるのは難しいぞ。
町人の娘を嫁がせるような
理解のある家ではない。」
「はい…それは…違うので…
ただ、私のことを待っていてくれると
言っていましたから…
きちんとお話したかっただけです。」
「…ではあの者たちではないのだな…」
春日局様がここまで
私の想い人のことを気にしてくださる
のは少し不思議だったけど…
私は頷いた。
最近ずっと怖かったけど…
やっぱり優しい御方なのかもしれない。
「春日局様…今回のことでもいろいろと
お心を砕いて下さったと聞きました。
本当に…
本当にありがとうございました。
右も左もわからない私に
いろいろなことを教えて下さり…
春日局様がいらっしゃらなければ
私は何もできませんでした。
それなのに、私がふがいないばっかりに
最近いつもイライラさせてしまって…」