第15章 最終章〜sweet&sweet1〜
私の表情をしばらく見つめていた
春日局様のお顔がなぜか少し
苦しげに歪んだように見えた。
「その様子では…
今後の身の振り方についても
心が決まったようだな。」
春日局様は何でもお見通しだ…
「はい…そうかもしれません。」
「では奥泊まりは止めるか…?
一月後には上様は身罷られるのだ。
体調を崩したとしても
おかしくはない…」
え…?すぐに意見を翻すなど
春日局様らしくない…
でも本当はこういうお優しい方
なのかもしれないな。
お役目が終わる私に情けを
かけて下さったんだ…
「いえ…責任は果たしたいと思います。
今後のことはその後に…考えます。」
「貴女らしいな。
ただし簡単ではないぞ。
特に鷹司や九条の摂家は…大奥の解体に
激しく抵抗することが予想される。
代わりに摂家の女子を受け入れる
様に画策するか…どちらにしても
鷹司と九条には大きな迷惑がかかる。
それを貴女が説明できるのか?」
「はい…覚悟しています。」