第15章 最終章〜sweet&sweet1〜
奥泊まり…そうだよね…
水尾様のお話から始まり、駿府行きなど
バタバタしていて…確かに
夜伽のことなんて忘れてしまっていた…
でも夜伽も立派な公務。
避けて通ることなんて出来ない…
瑠璃の頭の中には、その時
ある人の顔が浮かんでいた。
でも私…あの人がそのことを
知ったらと思うと
もう平気じゃいられない…
それは今までに感じたことない
感情だった。
駿府からの道中
この先どのように生きていきたいか
考えたときに心に朧げに浮かんだのも
その人の顔だった。
きっとこんな私には
もう呆れてしまっただろうけど…
それでも私はあの人に対して
誠実でありたいと思う。
これが愛…というものなの?
それでも私にはまだ上様として、
ううん…それ以前に瑠璃という
一人の女性としての責任がある…
「はい…鷹司、九条、夏津。
この3人には私の口から
お話しするべきだと思います。
ですから…夜伽はこれまで通り
春日局様にお任せ致します…」