第14章 日向
「今宵は瑠璃と語り明かそうと
思っていたのに酒が過ぎたな…
あ〜…瑠璃…その…
お前は好きな男はいるのか?
今の大奥は近々解体されるだろう。
もし奥の中でお前が既に想いを
交わしている男がいるならその際…」
「…いえ…決めた方はまだ…」
「そうか…早く見つかると良いな。」
日向が瑠璃を見つめる瞳は
限りなく優しい。
「城下の暮らしは苦労も多いが…
それでも自由に恋をし結ばれると
いうのは素晴らしいことだろうな。
恋か…俺の恋は…」
日向の大きな手が瑠璃の頬を包み
その切れ長の瞳が大きく揺れた。
「いや…駄目だ…すまない。
俺はお前が幸せになって
くれさえすれば…」
「日向様…」
瑠璃が顔を上げ、視線が絡み合うと
二人は引き寄せられる様に口付けた。
酒のせいで熱い二人の唇が…
舌が…絡み合う。
ううん、お酒のせいだけじゃない。
私…熱い…そして日向様の身体も…