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新章イケメン大奥✳︎逆ハーレムの世界✳︎〔裏〕

第14章 日向


「いや、いいんだ。
むしろお前で良かったと思っている。
家光は素直じゃなくてな…そして俺も。
愛情の現し方を知らなかった。
…家光が死んだと聞いた時
俺は、あの日の菜の花畑での
家光の笑顔を思い浮かべて…泣いた。
素直に涙を流すことができたんだ。
あの日、家光に感じた情が無ければ
俺は家光の死を安らかな気持ちで
受け入れられなかったかもしれない。
今も想い出すのは菜の花畑での家光だ。
俺の不器用で可愛らしい妹…
いい想い出だ。」


そんなものなのかな…?
瑠璃にはよくわからなかった。
将軍家の兄妹…
時には権力争いの道具に使われそうに
なり…兄妹の楽しい想い出など
無かったと家光様も言っていた。
普通の感覚では計り知れないことが
兄妹の間にあったのだろう…


「では、今日も家光様との
紅葉狩りの想い出ができましたね。
これからも沢山
お供させてくださいね…?」


瑠璃は涙を浮かべながら笑いかけた。


「いや…今日は瑠璃。
お前との想い出だ…最後のな。
…江戸に戻り、そうだな…
一月もしたらそなたは自由の身だ。
好きな男と城下で幸せに暮らせ…」


「え…?」


「これからは俺が将軍になる。」
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