第13章 上皇水尾【二】
く、喰うって!
激しく熱い水尾様の口づけ。
あの時の口づけとは何かが違う…
荒々しいのにすごく優しくて…
これが水尾様の本当のお気持ち…?
激しい口づけに身を委ねているうちに
瑠璃は腰が砕けたようになって
水尾の胸にくたりとその身を預けた。
「ん…はぁ…」
瑠璃の様子を見た水尾は動きを止め
とろんとした目の瑠璃を
真正面から見つめ直し、話し始めた。
「この間のことは…
お前が謝ることじゃねえ。
騙されただけで、元はと言えば
朝廷側の人間が図ったこと…
つまりは俺の責任でもある訳だ。
…俺は自分自身が許せねえ。
何が一番許せねえって…
お前を成り行きで抱いちまう
結果になったことだ。」
「…私なら…大丈夫です。」
「お前ならそう言うと思ったぜ。
でもな…瑠璃
これは俺なりのけじめだ。
今日俺がこんな辛気臭え場所に
わざわざ忍んで来たのは
俺の意思でお前を可愛がって
やらねえと気が済まないからだ。
いいな…?嫌なら今のうちに言え。
途中でやめてはやれねえからな。」
水尾様の射すくめるような鋭い瞳に
私は抗う術を知らず…
その瞳に魅入られたように頷いた。