第13章 上皇水尾【二】
「あの時は申し訳ありませんでした。
しかもご挨拶も無く去ってしまって…」
「…お前は本当に面白え奴だな。
この状況でその台詞は無えだろう。
俺は…
お前に会いたかったと言ったんだ。
心底惚れちまったって言ってんだよ。」
「えっ!?」
瑠璃は真っ赤になり
水尾から離れようとしたが…
逞しい腕にしっかりと包まれて
動くこともできなかった。
「逃げるんじゃねえ。
どんな思いして
ここまで忍んで来たと思ってんだ。」
「そういえば…火影と麻兎は…?」
「御門を連れてきたから…な。
まぁ、あいつの本心を考えると
気の毒な役回りをさせちまったが…」
「え?本心…?」
「いつまでも
ごちゃごちゃとうるせえ奴だな…
今からお前を
喰ってやるって言ってんだ。
黙って俺に喰われてろ…」
水尾の熱い唇が瑠璃の唇に重なった。