第13章 上皇水尾【二】
「緒形にもらったのか?」
「は、はい…そうなんです。
実は私も驚いていて…
何かの間違いだと思うので
明日すぐにお返ししようと…」
「くくく…挿入りそうなんだろ?」
聞かれてたんだ…どうしよう…!
瑠璃が言葉を継げずにいると
水尾の表情がすっと真剣なものに変わり
視線が絡み合った。
瑠璃の胸がとくん…と音を立てる。
「瑠璃…久しいな。
いや…前と比べりゃあ久しくも無えか…
ふっ…俺も重症だな…」
「水尾様…?」
「会いたかったぜ…瑠璃…」
瑠璃は水尾に抱きすくめられていた。
あ…!そうか…
とんでもないところを見られて
気が動転していたけど…
お会いするのはあの日以来だった。
「水尾様…」
「なんだ?」