第12章 緒形の診察室~午後編~
「お…緒形さん…んっ…
本当に診察…なんですよね?」
「当然です…触診というのですよ?
あまり動かないで下さいね…」
「はい…
…九条もとても優しかったです…
九条にも怒られてしまったのですけど
男性として意識していなかったので…
あの…私を求めてくれているのを見て
すごくドキドキしました…
それと…初めて自分で動いて…
き、気持ちよかったです…はぁ…
あの…緒形さん…?」
「なんですか?」
「なんでもない…です…」
診察していただいてるだけで
閨を共にしているわけではないから
当たり前だけど…
緒形さんの指先は
ゆるゆると往復するばかりで…
だめだと思っても腰が勝手に動いて
指を追いかけちゃいそう…
ここ一ヶ月程、複数の殿方からの
愛撫を次々と受けている瑠璃の身体は
焦らされた火照りが渦を巻いて
止まらなくなってきていた。
「何かございましたら遠慮なく
おっしゃってくださいね。
九条さんのことはどう思われますか?」
「九条も鷹司と同じで…
正室になってもいいって…はぁっ
待ってくれるって言ってくれました。
九条といると楽しいし、楽だし
いい人だと思うのですが…ふぅ…」
「お一人を正室に指名…となると
決めかねてしまうのですね…?」
「はい…中途半端では失礼ですし…」