第11章 緒形の診察室〜午前編〜
「だから御門殿にとって
特別なんですね?」
「…話しすぎたからもう帰る。
アイツが元気ならいいし。
まあ…今日辺り
驚くことが起きそうだけど。」
緒形はその先が気になったが
御門は意味ありげに笑いながら
いつの間にか姿を消してしまっていた。
さて、次は…
「緒形殿、失礼します。」
「夏津さん、いかがいたしました?」
「この世に頭で割り切れない物など無い
と思って今まで生きてきたんですが…」
「割り切れない物…いえ、想いを
知ってしまったのですね?」
「いや…気の迷いなら早く覚めて欲しい
と思っているだけです。
どうもアイツには調子を狂わされる…」