第10章 夏津
火影が言葉を探していると…
「でもまぁ…
お前の気持ちはわからないでもない。
それにあれだけの修行を積んだんだ。
更に手強くなったんだろうなぁ?
手合わせでもしてみるか。」
麻兎は口角を片方上げて挑発を続けるが
いつの間にかその顔は楽し気な
ものに変化していた。
「柄でもないが…これからは
正々堂々とやろうじゃねぇか。
まずはどっちが正式な護衛に
選ばれるか、だな。
それと…二度とあんなところで
…勝手に抱くんじゃねぇ。」
「え…麻兎…?///」
森の中の泉での夜を…
「見てたのか…」
肩をポンポンと叩きながら笑顔で
去って行く、兄の様な存在の男の背中を
複雑な表情で火影は見送った。