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空にかかる虹のお話。

第3章 虹。


雨が降っている人間界より遥上の世界

虹の橋の上に2人の子供が立っている



ソラ「やだやだやだやだ〜!!!!!!!」



青い空に大きな叫び声が響きわたる。
少女の名前はソラ。

空色のショートカットに同色の大きな瞳
長いまつげがかすかに震えている。
頬をふくらませている少女の目線の先には、緑色の髪をした少年が呆れ顔で立っている。


ソラ「何でレインが私のゼリー食べちゃってるのよお!?楽しみにしてたのにっ!!!!あんまりよ!」


レインと呼ばれた少年は、透き通るような銀色の瞳を地上に向けて静かに言った


レイン「ゼリーくらいまた僕が作ってあげるってさっきから何回も言ってるじゃないか。だから落ち着いて。天候が荒れてしまって地上の人達が迷惑してるよ?虹の番人は君しかいないんだからしっかりして下さい。」


ソラ「うぅ………。」


そうなのです。皆さんも察した通り、虹の番人つまりソラの気分しだいで私たちの住む地上の天候は変わってしまうのです。
そしてレインはその虹の番人が勝手に天気を変えないように見守る見張り役なのです。


レイン「ほら、わかったらさっさと落ち着く。」


顔色一つ変えずに言い放つレイン。
ソラは不満げに「だって…」とつぶやいた。
レインは深くため息をつくと、どうしたものかと真っ直ぐソラ を見る。そして何を思いついたのか首を傾げるソラの手を取ったかと思うと、虹の上を滑り出した。


ソラ「わあっ!」


レイン「ほら虹のすべりだいこれで機嫌直してよ。それで晴れにして。」


2人は勢い良く虹を滑り落ちる。
すると突然ソラがハッとしたような表情になり、レインに話しかけた。


ソラ「ねえレイン、これどこまで落ちるの!?」


今まで何も考えていなかったのか、みるみるうちに真っ青な顔になるレイン。


ソラ「ま、まさか…いやああああぁ…」


レイン「僕はただ晴れればいいと思ってただけなのにいいいいいいぃ…」







2人の悲鳴が重なって雲の上から地上へと流れていった。


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