第2章 従順で変態な真田弦一郎は犬
「真田、今日から部活はテスト休みって聞いた」
「ああ、一週間休みだ」
次の科学の授業は移動教室のため、準備する真田の机をつい、と撫でうるさいクラスで静かに話す
少し間をあけて顔をあげた真田はいつも通り厳しい表情で、
でも、違う。
「そう、」
それだけ話すとはゆっくり机から離れ、自分も移動の為教科書を用意して教室から出た。
真田の瞳は私の指先を見て、そして私を見た。
これからの一週間を、真田は想像して指先を見ていた。
なんていやらしい子
はちいさく微笑むと教室に入ってきた先生に規律の号令をかける真田の声を聞きながら授業に専念した