第1章 novel.1 丸井ブン太の家庭教師
朦朧とした頭でブン太の言葉を反芻する
「う・・ん・・」
ブン太に抱っこされて駅から出る
「お、仁王がいるぞ。」
駅の外には銀髪を1つにまとめたかっこいい男の人が立っていた。
ブン太より背が高く、少し冷たい印象がある
「こんにちは。どうしたん?」
真っ赤な顔でだるそうにブン太に抱っこされている私を心配そうに覗き込む
「ああ、ちっと悪戯しすぎた。」
クスクス笑うブン太。察したように仁王も目を細める
「なら早く別荘連れてかんとね。あいうもツライよな」
仁王が優しく頭を撫で、ネコをあやすように耳の後ろをなぞる
「んやっ・・」
そんな些細な愛撫にも敏感に感じ、身体を震わせる
「ブン太・・どんな悪戯したんじゃ・・」
あきれた声で仁王はブン太を見下す
「イきそうだったんだよな。でも駅に着いちゃったの。俺悪くねーし。」
話しながらも歩いて行きだんだん私の身体も落ち着いてきた頃、目の前に大きな門と白い屋敷が聳え立つ
センスの良い外観と綺麗に管理されている庭
いかにも避暑地のイメージまんまの別荘にポカンと口が開く
「すごいね・・もう降ろしていいよ」
ブン太に降ろしてもらい、周りを見渡す
「家ん中涼しいけん早よ入ろう」
家の中に入る。中は太陽の光が存分に降り注ぎとても明るい。
広いのに空調が行きとどいている。ちょうど良い涼しさだ。
案内されて部屋に入ると6人は寝れる大きなベッドが目に入った
ベッドの上には何故だか女性用の可愛いビキニが広げてある
「広い部屋だね‥大きなベッド‥ここは誰が使う部屋?」
1人ずつに部屋を貸してくれると思っていたが、電車での悪戯やこの大きなベッドを見て心臓が早く脈打つ
「分かってるんじゃろ?みんな一緒に寝んの。いや、寝かせんけどね」
いやらしくセクシーな視線を向けられ自分の顔が赤くなる
視線を合わせているのが恥ずかしくなりブン太を見ると白い紐で縛るタイプのビキニをニヤニヤ見てる