第8章 ~11月~
午後になって、翔先輩の熱が上がってきた。
「大丈夫ですか?」
翔「平気だよ………………。」
体温計は38度6分。
平気に見えない………………。
でも、こういうとき、何すればいいんだろう?
冷えピタしてるし、お布団もかけてるし。
ほかに何すれば…………………。
あ、じゃあ。
ギュッ
翔「#NAME1#?」
「こうしてれば、治りますか?
私はずっと、そばにいますよ。」
私は翔先輩の手を握ることにした。
翔「風邪、うつっちゃうよ。」
「大丈夫です。
翔先輩は、気にせず休んでください。
翔先輩の風邪が、悪化する方が私は心配ですから…………。」
翔「……………………わかった。
うつしちゃったら、ごめん。」
そう言って、翔先輩は目を閉じた。
「先輩、早く直してくださいね。
それで、またデートに行きましょう。」
翔先輩の顔が、少し微笑んだように見えた。
早く治るといいな。