第5章 初めて信じた赤い糸
あたしが、照れ隠しで否定すると、ふふふとまた笑った。
「なら、きっと大丈夫だと思うわ。」
「……うん?」
「いい報告が聞けそうな気がする。あたし。」
…お姉ちゃんまで、期待させるようなことを……。
「…………フラれたら、慰めてね」
あたしが、そういうとお姉ちゃんは吹き出した。
「何いってんのよ笑笑
まぁ、その時はうんと泣きなさいね?受け止めてあげるから」
ニッコリ笑って言うお姉ちゃんが、天使に見えたw
「あ、もう、時間だから行くね」
あたしは、玄関の鏡でもう一度だけ身なり確認。
「笑顔は、忘れたらダメよ」
「はい」
「分かってると思うけど、相手は芸能人だからね。そこは、わきまえるのよ」
「はい」
「大事なとこで噛むなよ?笑」
「…はぃ」
一番の不安要素ですね、はい。
「んふふ。いってらっしゃい」
「いってきます」
あたしは、深呼吸して家を出た。
マンションから出ると、ちょうど見慣れた白い車が見えた。
てかね?
この車、ちゃっかし嵐さんがイメージキャラクターを務めてる会社の車で。
そして、CMで二宮さんが乗ってる車種と同じだから通り過ぎる人は、必ず2度見してる笑
「久し振り、ちゃん」
やっぱり、二宮さんはエスコートしてくれる。
「お久しぶりですね。
ありがとうございます、二宮さん」
うわぁ…ホントに久し振りにかいだ二宮さんのにおい。
……あたしの大好きな二宮さんの香水の香り。
しばらくその空気に浸っていると、運転席のドアが開いた。
「ちゃんが誘ったクセに、運転するのは俺なんだ?」
二宮さんはシートベルトを締めながら、いたずらにそう言った。
「…なっ……だって、あたし、まだ免許、取ってませんもんっ……」
……ぁあー、最初の頃だったら、このくらいの嫌味に躊躇せず言い返せてただろうに……。
「あはは、なんでカタコト笑笑
……まぁ、ちゃんを助手席に座らせられんの、俺だけの特権だと思ってるから。」
「…えっ……」
あぁぁーー、もう、ますますだめになる…。
勘違いしちゃいますよ?その言い方…………。
前までのあたしは、何処へやら。