第4章 見えない告白

「誰に誰が似合うとか、相応しいとか、そんなの他人が決めることじゃないと思う。ニノだって、ちゃんと同じ人間だよ？そらぁさ、仕事柄やっぱり捉え方が違っちゃうのは仕方のないことだけど、アイドルだからって恋しない訳じゃないんだから」


「……そうですけど……っっ」


あたしは2人がいることも忘れて涙ボロボロ。


でも、我に返り慌てて涙を拭った。


「結局さ……ちゃんは……ニノのこと……好きなの？」


相葉さんが遠慮がちに聞いてきた。


「……あたしは、…二宮さんのこと……好きだと…思いますか？」


こんな質問、答えに困るだろうなと思いきや。


「「好き」」


2人は口揃えてそう答えた。


でも、ふざけてる感じは、もっぱらない。


「ニノの相談事してる時点で、あなたはもう恋してますよ？」


「……っっ」


「じゃあ、ニノが好きって認めたくない理由は、あるの？」


……二宮さんを好きだと認めたくない理由……。


「………………こわい……」


「「こわい？」」


話したい。


けど、話したくない。


二宮さんと同じ職業、ましてやメンバーさんの2人に理由言ったって、解決する訳ではないから。


2人には申し訳ないけど……。


あたしは、立ち上がった。


「…ちゃん……？」


「……あたし、帰りますね」


そう言い残して、行こうとする。


「……それでいいの」


「……ぇ」


「ちゃんは、本当にそれでいいの？
……何を悩んでるのか知らないけど、それじゃ逃げてるようにしか見えないよ。好きかどうか分からないなら、ぶつかって確かめればいいじゃん」


……確かにそうかもしれない。


今のあたしは、二宮さんに本気になるのが、嫌われるのが怖くて逃げてるだけかもしれない。


でもね？


現状、こうなるのは仕方のないことなの。


芸能人で、ましてやアイドルの二宮さんと出逢ってしまったことが、最大級の間違いだったんだ。


だから、ぶつかる以前にこの、二宮さんへの想いを断ち切らなければいけない。


「………二宮さんと同じ立場のお二人には、あたしの気持ちなんて、わかるはずないじゃ「あのさ」」


あたしの言葉を遮ったのは櫻井さんだった。