第4章 見えない告白
「……まじですか」
相葉さんは、あちゃーといった顔でそう言った。
いやいやいや、まじですかはこっちの台詞じゃい!
も、なんでこう、嵐さんには自分の立場を自覚してない人が多いんでしょうか。
「ていうか、なんでちゃんが一緒なの?」
「あっ!聞いてくれる!?今日デートしたんだよね、ちゃん?」
「デート?」
櫻井さんが疑うような表情であたしを見た。
「あ、いや!そういうんじゃなくて……」
あたしが全力で否定しようとすると、櫻井さんは、分かってるよと笑った。
……て、そこで相葉さんがショボンとする意味が分かりませんが……。
「じゃあなんで、相葉さん家に?」
「あっ、そうそう。ニノの話を聞こうと思って」
“ニノ"
その単語にまたもや、無意識に表情が曇るのが自分でもわかる。
「まぁ、とりあえず座りなよ」
「はい……」
「……まずさ、俺気になってたんだけど、今日俺が来たとき制服のままだったよね?
……ニノが関係してる?」
相葉さんが、遠慮がちにそう聞いてくる。
本当は、あのことは誰にも言わないでおこうと思ってたけど、二人に全てを話した。
二人はすごく真剣に聞いてくれた。
途中、泣きそうになるのを必死に堪えた。
「……実際さ、付き合ってはないんだよね?」
言葉にすると泣いちゃうと思って、あたしは頷いた。
「でも、告られたことは告られたんだよね?」
またも頷く。
……て。
「え?なんで……知ってるんですか……」
「え!?そうなの!?」
相葉さんとあたしのテンションの差よね(´・ω・`)
「あー、いや、まあそこはいいじゃん?
んでさ、なんでOKしなかったの??」
「……いや、だって……、最初は何も考えられなくて……でも、よくよく考えたら、あたしみたいな人が二宮さんの隣に立っていい訳はなくて。二宮さんには、もっと相応しい相手がいると思ったからです」
あたしはなるべく感情を込めずに答えた。
だけど、二人は納得いかないとでも言いたげの表情であたしを見た。
「じゃあさ?ちゃんの思う、ニノに相応しい相手ってどんな人?」
自分で言ったくせに、櫻井さんのその質問に答えることができなかった。