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ふたりだけのdestiny

第4章 見えない告白


それからもっと話が盛り上がって、結局学校を出たのは午後8時前だった。

しかも、五十嵐くんはご丁寧に家まで送ってくれた。

「五十嵐くん、道逆なのにありがとね。」

「気にすんなっての。俺も林と話せて楽しかったし。こっちこそ、サンキュ。」

「ううん。じゃあ、月曜日ね」

「おぅ、じゃあな」

五十嵐くんは、また爽やかに微笑んで今来た道を戻っていった。

五十嵐くんと盛り上がりすぎて、予定が少し狂っちゃったなー。

まぁ楽しかったからいっか。

そう思いながら、バッグから鍵を取り出した。

……お姉ちゃん、いないんだっけ。

最近、いないことが多いんだよねー。

「っと……て、何してるんですか!?そこで……」

そこには二宮さんがドアにもたれかかっていたのだ。

「何って、お前を待ってたんだよ」

……おまえ?

二宮さん、勝手についてきてるけど……って二宮さんの氷のように冷たい目が怖くて言えなかった。

「……アイツ、誰」

「ぁ、あいつ……?」

「さっきまで一緒にいた奴」

…こ、こわい……。

て、てか、なんで怒ってるのよ……。

「……五十嵐くんのことですか?……ぁ、あの、クラスメイトです、けど……」

「クラスメイトが、家までくんのか」

「え……っ、あの、遅くまで残ってて送ってくれたんです……」

「……なんで断んなかったの?」

…………は、ぃ?

え?……どういうこと?

あの、逆になんで断らないといけないの?

「ぇと……こ、断る理由が、ないですし……きゃっ!」

ソファに乱暴に押し倒された。

「……つくるんだよ。理由なんて、いくらでもつくれんだろ?」

「…そっ、そんなこと言われても!……なん」

「お前が他の男といんのムカつくんだよ」

あたしの言葉を遮って二宮さんがいい放つ。

さっきから聞いてれば、なによ!

だいたい、五十嵐くんが送ってくれたことに二宮さんが怒る要素がどこにあるの!

「……なんで……」

「……ぁ?」

「どうして二宮さんにそんなこと言われなくちゃならないんですか!?あたしは、二n……」

「お前のことが好きだからだよ!」

「……ぇ……」

「…ちゃんが好きなんだよ」

状況を理解できずにいると、二宮さんの顔がゆっくり近づいてくる。

涙が溢れた。

でも、目一杯二宮さんを睨んだ。
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