第3章 ~二宮side~
優しいちゃんに甘えたくなった。
別に付き合ってるわけでもないし、ちゃんのこと好きなわけでもない。
でも、この俺だって誰でもいいわけじゃない。
気づけば、ちゃんに自分の唇合わせてた。
多分、林の言う通り、俺は大人になって一段と綺麗になったちゃんに、惚れたんだ。
可愛い子や綺麗な女性に、一目惚れすることはよくあること。
でも、ちゃんはそういう類いに分けたくない。
あ、れ……。
俺、頭おかしくなったのけ。
その後のことは全く記憶がなくて……。
ちゃんに、キスしたとこまではなんとなく覚えてて……。
……て、俺最低だな。
なんか、今になって思うけど……。
「もう!二宮和也のばか!バカズナリ!!」
「…………ひぇぇ」
「ひぇぇ、じゃないでしょ!あたし言ったよね?
に手ぇ出したらいくらあんたでも許さないって」
「だ、だって、あんな子どもだったちゃんが綺麗になってたから……」
「そうゆう問題じゃないだろ!あんた、自分の立場わかってる?」
うわ、口悪くなってるし。
そもそも、アイドルでも一目惚れくらいする!
それをあーだこーだ言われるこっちの気持ちを、お分かりかい?
可愛いもんは可愛いし、綺麗なもんは綺麗だ。
それのどこがおかしい?
という、俺の屁理屈が顔に出ていたみたいで、林は怒る気力も失ったのか、ただ呆れてた。
「……あんたが、報道かなんかされたらはもっとあんたから離れてくんだよ?の性格を考えなさいよー」
……あぁ、言われてみれば……。
いくら酔ってたからって、あれはやりすぎだったな。
「……もっとのこと、大事に思ってくれてると思ってたけどね」
林に嫌みを言われ、何も言い返せない俺。
は、ちゃん大事だし。
「分かったよ。責任取ればいいんだろ?」
俺の言葉に何かを探ろうとする表情をする林。
「明後日、ちゃん1日貸して。」
「……は?どういうこと?」
「その日ちゃん誕生日だよな。あのキスは遊びじゃないって思わせる」
「……何するつもり?」
何するかなんてさ、サプライズなのに言えないでしょ。