第3章 転校生
『私、シグレ。シグレ・サクラ。よろしくね。そろそろ授業が始まるから、歩きながら説明するわ。それでもいい?・・・スワン。』
私はさっきの名前を聞いて、確信した。ここはトワイライトの世界だと。とりあえず私は、いきなり名前を呼ぶのも失礼かと思い、名字で呼んだ。
するとベラは、
「ベラでいいわ。私もシグレって呼んでいい?」
と、言ってきた。私はびっくりした。ベラってこんなにフレンドリーだったっけ?でも、こっちのほうが私はいいかも…。
『もちろんよ、ベラ。最初は国語よ。カフェテリアの近くの3号館なんだけど、私極度の方向音痴で辿り着けるかわからないから地図見てもらってもいい?』
と、いうとベラは微笑みながら、
「シグレってかわいいわね。背も小さいし、守ってあげたくなるわね。見た目はクールなのにね。」
と言って、私の手を握りながら一緒に行った。そして教室に入る直前、ベラがありがとうと言ってきたが何も言わず微笑んで返した。きっと緊張していたのだろう。
先生は生徒たちに紹介しないで、後ろの空席に座るように私とベラに言った。後ろの席なのにみんなは振り返ってじろじろと見てきたので、少し居心地が悪かった。