第3章 転校生
そんなことをしていると、ようやく最後のベルが鳴った。書類を提出するために事務室へとベラとのろのろ歩いていく。雨はやんだが、風は強く、さらに寒くなってきた。
暖かい事務室に足を踏み入れた途端、外に戻りたくなった。
正面のデスクに、エドワード・カレンがいたのだ。あの、クシャっとした赤銅色の髪で分かった。私は外へ出ようとしたが、ベラがそれを許さなかった。幸い、私たちが入ってきたことに気付いていないみたいだ。
彼は魅力的な低い声で何かを話し合っていた。要点はすぐに分かった。生物のクラスをいつでもいいからほかのクラスに振り替えてほしいということだった。
(やはり、変わってしまったのだろうか、原作が。)
またドアが開いて、冷たい風が一気に吹き込んでくる。髪がふわりと顔にかかり、デスクの書類がカサカサ音を立てた。入ってきた女の子はそのままデスクまで行くと、ワイヤーボックスにメモを入れてまた外に出ていった。