第3章 転校生
ちょうどアリスが席を立ったくらいにベラがスペイン語のクラスで同じだった女の子に聞いた。
誰のことだかかしかめようとして彼女が視線をあげたとき、突然、1人がこっちを見た。
やせてて、少年っぽい、一番年下の彼だ。
ほんの一瞬、ベラとその隣にいた子を見て、その深い色の瞳が私のほうへちらりと揺らめいた。
私はあわてて視線を逸らした。ベラたちも下を向いていたから、私と目が合ったことには気づいていないだろう。
(どうして私と目が合うの?私は傍観者でいたいのに・・・)
「あれはエドワード・カレンとエメット・カレン、あとロザリー・ヘイルとジャスパー・ヘイル、先に行っちゃった子はアリス・カレンよ。みんな医者のカレン先生夫婦と一緒に暮らしているの。」
彼女は小声でベラと私に教えてくれた。
「すごい・・・。えっと、美男美女揃いなのね。」
とベラが言うと、女の子―ジェシカはくすくすと笑いながら認める。