第3章 転校生
女の子ふたりはまるで対照的だった。
背が高いほうは彫刻みたいで、抜群のスタイル。水着のグラビアで見かけるような感じ。同じ部屋にいるだけで、だれもが自信をこてんぱんにされてしまうタイプ。ゴールドに輝く神は背中の真ん中あたりまで緩やかに名に売っている、ロザリー・ヘイル。
背が低いほうは中性的で、恐ろしくスリムだ。髪は真っ黒のベリーショートで、あっちこっちを向いている、アリス・カレン。
それでもやっぱりそっくりだった。一人残らずチョークみたいに真っ白で、太陽が照らないこの街に暮らしている生徒全員の中でも一番、「アルビノ」のベラより、色白だ。
髪の毛の色はばらばらだけど、瞳はみんなとても深い色。
原作を知ってる私の視線でさえ釘付けにしたのは、色の白さでも、眼の下にできてるクマのことでもなかった。
じっと見つめてしまったのは、5人ともありえないくらい美しかったからだ。