第16章 『もう一度』
時が過ぎるのは早いもの…
それが惜しむ時なら尚のこと。
エルヴィンさんと話してから数日が過ぎた今、遂に木の葉へと帰る時がきた。
カカシ先生には“もうすぐ帰ります。”と手紙を出した。返事はまだだが手紙が倉庫から消えたということは受け取ってくれたんだろう。
そして今、私 エルヴィンさん リヴァイさん ハンジさん の4人で皆を送り還した場所に私達はいる。
天姫「それじゃあ術を始めますね」
・・・久振りの木の葉…皆元気かな?
ハンジ「あ!ちょっと待った!!
これ貰って!!」
そう言ってハンジさんが手渡してくれたのは木の葉の里の印と調査兵団の自由の翼が刻まれたブレードと鞘だった。
よく見たら通常のブレードとは違い、一枚の鋼でできていて簡単に折れないようになっているが柔軟性はそのままという一品だ。
天姫「!!うわぁ 凄い!!!」
・・・木の葉と調査兵団が一緒にいる
私は渡されたブレードをまじまじと見つめてからギュッと握りしめた。
天姫「ありがとうございます。ハンジさん。木の葉に帰ったら私の愛刀として使いますね。」
鞘から刃を引き抜き一振りして切れ味を確かめた。
ハンジ「天姫ならきっと使ってくれると思っていたよ!!だからもう一本作ったんだよ!!
使用用にね!」
そう言うとリヴァイさんが背中の袋からもう一本を取り出して渡してくれた。
リヴァイ「受け取れ」
天姫「ありがとうございます。
背中に袋なんか付けてるから何を持ってるのかと思ったら…嬉しいです」
・・・この世界から去る私にこんなにも良くしてくれる…私は皆さんの事が大好きです。
薄っすらと涙を溜めながら私は微笑んだ。