第15章 『嘘と別れ』
ハンジ「…ねぇ天姫。君はまだ話すことがあるんじゃない?」
・・ナルトとのこととかね。ナルトは知らないんだろ?
ハンジさんの一言に私は慌てた。
そしてその反応をみて皆は私に詰め寄って来た。
「まだ何か隠してるだろう」と。
そう聞かれたけど後打ち明けることといったら自分の家族を殺したことと、ナルトの従兄弟だということぐらい。
どれも話せば皆に嫌われると確信を持ってるものばかり…。
だけど私から話を聞こうと3人はジッとこちらを見てくる。引いてくれる様子もない。
私は真剣に頭を抱えていた。
ここにきて皆に嫌われて生きろというのだろうか?
それだけは嫌だと願い続けていたのに。
頭の中をぐるぐると嫌われる嫌われるという単語が回っていた。
その時ふと視線を皆から逸らすとカカシ先生と目があった。その時、カカシ先生に言われた言葉を思い出した。
それは「見捨てるわけがないだろう」と言われたことだ。
あの時は照れて素直にお礼を言わなかったが私はあの言葉に救われた。もう仲間ではいられないんだと感じていた私にとって何よりも嬉しいものだった。
その言葉を思い出して私は皆に過去のことをそれとナルトの関係を打ち明けることにした。
勿論、嫌われるのは怖い。
でも皆を信じたいと思う気持ちがある。
これは私の中で絶対なものだから。
それにカカシ先生は味方で居てくれると言ってくれた。
もし皆に嫌われて連絡を取れても何も手紙とかをくれなくても…カカシ先生がいる。
たった1人だけでもあちらの世界との繋がりがある。
大切な人が繋いでくれる。
それだけで私に勇気が湧き上がる。