第15章 『嘘と別れ』
その場でじっとしてたせいで巨人が周りを徘徊し始め、かなり近くにも足音が聞こえていた。
エルヴィン「ハンジの所為で失敗したようだがもう一度できるのか?」
・・ハンジが彼処で飛び込むとはね
天姫「直ぐには無理なんで安全なとこに行きましょう」
リヴァイ「一旦壁内に帰るのか?」
天姫「そんなことしたらエルヴィンさんが次は出してくれないのが目に見えてるので彼処に見える木陰で休みましょう!」
そう言って50mほど先に見える大きめの一本の木を指差した。
リヴァイさんにあんな木の下に行ったところで何も変わらないと言われたが、兎に角ついて来てと言って全員を引っ張って行った。
パンッ
全員が木陰に入ったのを見計らって私は柏手を一つ打った。
すると、木を中心に結界が張り巡らされた。
天姫「これで大丈夫です。外からは見えないし気配も絶ってるので見つかることはないです。」
ニコッと笑ってリヴァイさんを見たら、表情は殆ど変化してないが唖然としているような雰囲気だけ掴めた。
勿論エルヴィンさんやハンジさんも驚いていたが、ナルト達もビックリしていた。
何故忍術に慣れてるナルト達もビックリしたのか
それは、私が柏手一本で結界を張ったからだ。
普通は術の演唱やら印を組んだりやら色々しないといけない。
だが、今の私は多少なりとも天狐の神通力を宿してその身が狐に近づいているから其れらを飛ばして術を発動させることができたのだ。
驚いてはいたが全員ここなら安全と判断してくれたようで、立ってるのも疲れるだけだから座ろうということで全員円を描いて座っていた。
エルヴィン「ほう、これは便利だな」
・・どこでも安全に休めるというわけだ
ハンジ「中からは外がみえてるんだねー!!」
天姫「外が見えないと もし結界が破られそうな事とかに気付けないでしょう?」
とクスクスと笑いながらハンジさんにそう答えた。
このまま雑談でもう一度術を使えるまで回復出来たらいいなと淡い期待を抱いていたが、私の期待は直ぐに終わることになった。