第15章 『嘘と別れ』
私は紋の中心に両膝をつき膝と平行に扇子と小太刀を並べてから祝詞を詠う。
天姫「この身を器とし天狐の力の拠り所とならん。」
・・・舞おう…今生の別れへ私が贈れる最後で最高の想奏の舞を!
そう唱えると私の身体は円週から溢れる白い光により中に閉ざされた。
カカシ「天姫!?お前…!!」
・・これは文献の術と違うぞ!!俺が知ってるのは天狐の神通力を見に宿した状態で舞 唄い世界との同調を促す術のはずだ!!
私はカカシ先生の青ざめた顔を見て、心の中でそんな顔をしないでと呟いた。
私は視線をカカシ先生から外し、術に集中し直した。
天姫「我に宿りし天狐よ。
時空を超える穴を穿つ為の力を我に授け給え。」
・・・すいません。
先生が知ってる知識は本当に一部なんです。これは我が一族に受け継がれる秘術中の秘術。全容は文献に残らない。
私が詠えば私の身体が金色の光に包まれて行った。
足先から頭の先まで包まれて行くまで私はじっとしていた。
そして私の全身が一際金色に光を放ち、その後すぐに収束して私の身体全体を淡い金の膜が覆った。
その時だ
パリンッ
私の周りを囲んでいた白い光が砕けた…。
私は驚いて周りを見ると陣の中にハンジさんが足を突っ込んでいた。