第14章 『必ず還すから』
天姫「入ってもいいですか?」
エルヴィン「ああ」
急な訪問にも関わらずエルヴィンさんはすんなりと私を中に入れてくれた。
エルヴィン「来ると思っていたよ」
・・あのまま現実を投げだすような奴ではないはずだからな。
私はその答えに対してフフ と小さく笑い、「そうですか」と言ってエルヴィンさんが座る執務机の前に立った。
天姫「要件はわかってますか?」
・・・きっとわかってる。でも、
エルヴィン「ああ、だが許可は出来ない」
天姫「だろうと思いました。
でも私もそこで引くわけには行きません。皆を還す役目があります。
なので交渉をしに来ました」
私は手紙が見つかったその日から書いていた誓約書をエルヴィンさんの机の上に置いた。
内容は、
調査兵団に絶対の忠誠を誓うこと。
自らの肉体を研究資料として提供するとこ。
壁外での生活をし、今後の壁外調査の拠点となること。
を誓う と書いたものだ。
私は机にこの紙を置いた状態でエルヴィンさんに話し出した。
天姫「もう、私の事はカカシ先生から聞いて知ってると思います。
なら、私の身体がどれだけ希少価値の高いものかもわかっていただけるでしょう。
なのでこちらの誓約書に書いてる内容を誓う代わりに仲間を元の世界へと還す術の使用のための壁外への出立を許可して下さい」
一切目線を逸らさずに私はエルヴィンさんを見つめ続けた。