第14章 『必ず還すから』
ハンジ「…ナルト君と何かあるの!」
・・え!もしかして恋人同士とか!?
天姫「あ、勘違いしてますよ!そういうことは無いですから!!」
私はハンジさんの言葉を即座に否定した。
しかし、その中で本当の事を話すべきかをずっと考えていた。
本当にナルトとは恋人ということはないのだ。
ただ、私にとっては掛け替えのない人である事は確かだ。
私の母は、うずまき一族の人間でナルトの母…クシナとは姉妹だ。
これで分かっただろう…ナルトと私は従兄弟の関係なんだ。
一族…いや、家族をこの手で葬った私にとって最後の肉親なんだ。
でも、この事をナルトを始め殆どの人は知らない。
知ってるのは火影様、そして便宜上 カカシ先生が知ってるだけだ。
何故ナルトに本当の事を言わないのかって…?
それは拒絶されるのが怖いから…。
ナルトが仲間や家族を本当に求めてるのは知ってる。
でも、だからこそ私は言えないのだ。
家族をこの手で殺した私には。
他の人にどれほど拒絶され軽蔑されても何ともないけど、最後の肉親…家族であるナルトにされたら私は立ち上がれる自信がない。
それでも第七班に…側にいるのはナルトの夢が叶うのを見たいから。
そして願わくばナルトが治める里で力になりたいと、思っていたから。
しかし、私の望みが叶うことはもう無いだろう…
術が発動し世界を渡ったその時から。
もう 私に選択肢は存在しない。